外国人雇用でミャンマー人に特化した採用戦略で企業の成長を支援する特定技能外国人登録支援機関、ネクストドアです。

特定技能外国人を受け入れる企業が増える中、勤怠管理や有給、残業の運用において、知らず知らずのうちに法令違反となるケースが増えています。

労基署からの指摘や是正勧告を受ける前に、特定技能外国人にも適切な労務管理ができているかを見直すことが重要です。

本記事では、よくある管理ミスや指摘事例をもとに、実務で押さえるべきポイントを解説します。

特定技能外国人の勤怠管理で見落とされがちなポイントとは?

外国人材、特に 特定技能 の在留資格を持つ方を雇用する際、その勤怠管理には「日本人従業員と同等のルール」が適用される点をまず押さえておきましょう。

実務上よく見落とされるポイントとして、言語・文化の壁、契約条件の理解、勤怠記録の実態把握などが挙げられます。

例えば、雇用契約書や就業規則を日本語のみで提示し、外国人材が十分に理解していないままスタートしてしまうケース。

特定技能外国人にも 労働基準法 をはじめとする労働関係法令が適用され、「労働時間」「休憩・休日」「割増賃金」「年次有給休暇」など日本人と同じ取り扱いが求められます。

勤怠管理でよく起きるミスの背景として、

  • 勤務開始/終了時刻・休憩時間・残業時間を正しく記録していない
  • 外国人材が指示・申請内容を十分理解しておらず、自主的に残業・休日出勤してしまう
  • 有給休暇の付与・取得状況を把握していない

などが挙げられます。

特に勤怠記録が「形式的」になってしまっていると、実際の労働時間とデータ上の時間との乖離が生じ、監督機関から指摘を受けるリスクが高まります。

実際、 厚生労働省 の調査によると、特定技能外国人を受け入れた事業場では「割増賃金の支払」が監督指導対象の第2位にあがっているのです。

言語・文化・制度理解のギャップを放置すると、勤怠管理や有給・残業の運用においてトラブルが起こりやすくなります。

特定技能外国人を雇用する企業としては、「勤怠管理を日本人管理と同様に扱う」だけでなく、「理解確認・申請手続き・記録管理を外国人材目線で整える」ことが非常に重要なのです。

労働基準監督署から実際にあった指摘事例とその内容

特定技能外国人を受け入れた事業場において、 労働基準監督署(以下「労基署」)が行った監督指導で実際に指摘された内容を確認することで、勤怠管理・有給・残業運用において「どこが見られているか」が明らかになります。

まず、 厚生労働省が公表した資料では、特定技能外国人を使用する事業場で監督指導を実施した5,750事業場のうち、4,395事業場(76.4%)で労働基準法関係法令違反が認められています。
その主な違反事項としては、「使用する機械等の安全基準」が第1位、「割増賃金の支払」が第2位、「健康診断結果についての医師等からの意見聴取」が第3位。

勤怠・割増賃金の管理についての具体的な事例としては、「外国人労働者から違法な時間外労働等の申告があり、タイムカード・賃金台帳を確認しても実態を特定できなかった」というものがあります。

この事例では、月100時間を超える時間外・休日労働の実態があり、割増賃金が未払いだった疑いがあったのです。
また、有給休暇の取得義務化を巡る指摘も増えてきています。

労基署の監督では、「年10日以上の有給休暇が付与される従業員に対し、年5日以上の取得を確保していない」点が明確に指摘されているのです。
これらの指摘から読み取れるポイントは、勤怠・残業・有給のいずれも「形式的な制度設計」だけでは不十分で、「実態として運用されているか」「外国人材も含めて申請・取得・記録状況が明確か」が監査対象になるということ。

特に特定技能外国人では、言語の違いや制度理解のズレから、勤務実態と記録との乖離が出やすいので、企業側としては「入力だけ/作成だけ」で終わらず、リアルな働き方との整合性を定期的に検証することが肝要です。

よくある勤怠・有給・残業の管理ミスとその原因

特定技能外国人の勤怠管理において、実務でよく見られるミスを「勤怠記録」「残業・休日労働」「有給休暇取得」の3つの視点から整理し、それぞれの原因を探ります。

まず「勤怠記録」に関しては、タイムカードの打刻漏れ、始業/終業時刻の管理不備、休憩時間の適正な記録ができていないケースが目立ちます。

特に、外国人材が指示を十分に理解していないと、自己申告制で勤怠を記録してしまい、実態と乖離してしまうリスクがあるのです。

次に「残業・休日労働」については、法定労働時間を超えた勤務をさせたものの 、労働基準法第36条 (以下“36協定”)の締結・届け出がなかった、または残業時間の上限を超えていたという指摘があります。

特定技能外国人であっても、日本人と同じく時間外・休日・深夜労働には割増賃金の支払が必要です。
さらに「有給休暇」の取得管理では、外国人材だからといって適用外とみなすのは誤り。

年次有給休暇は、6ヵ月以上勤務・出勤率8割以上という条件を満たせば付与され、年10日以上付与される労働者については年5日以上の取得を事業主が確保しなければなりません。

特定技能外国人も例外なく対象です。
これらのミスが起きる背景としては、

外国人材向けの説明が母語・理解度に応じて行われていない

日本の勤怠管理制度を「日本人向け」で設計しており、外国人材の適応を考慮していない

記録データを単に集めるだけで「実働と整合性があるか/過剰な残業や申請漏れがないか」を定期的にチェックしていない

などが挙げられます。

これらは、制度的な理解不足・運用体制の脆弱さ・チェック機能の欠如によるものです。

企業としては、ミスを単なる“作業漏れ”として片づけず、「なぜ外国人材で発生しやすいか」を理解し、説明・運用・記録・検証の四輪を回すことが求められるのです。

法的リスクを避けるための実務チェックポイント

特定技能外国人を雇用する際の勤怠・有給・残業管理で、法的リスクを回避するための実務的なチェックポイントを整理します。

まず、「勤怠記録の確実な実施」が不可欠です。

始業・終業・休憩・残業・休日出勤すべてを、タイムカード・ICカード・勤怠管理システムなど、客観的に確認できる方法で記録し、雇用主が直接確認する体制を整えましょう。

特に外国人材では、「自己申告制」だけに頼るのはリスクとなります。
次に「残業・休日労働・割増賃金」の制度設計です。

時間外・休日・深夜労働を実施する場合には、36協定の締結・届出が必要であるほか、所定労働時間を超えた場合には割増賃金を支払う義務があります。

特定技能外国人であってもこのルールは変わりません。
年次有給休暇の取得促進」も重要です。

外国人材も年次有給休暇の権利を有しており、年10日以上付与される労働者には、年5日以上の取得確保が義務化されています。

企業は取得状況を把握し、外国人材にも取得申請・承認の案内を母語や分かりやすい日本語で整備する必要があります。
さらに「言語・理解度配慮」「実態と記録の整合性チェック」「定期的な説明と面談」の3本柱を持つことが望まれます。

雇用契約や就業規則・勤怠申請ルールを日本語のみで提示するのではなく、外国人材が理解できる言語・表現で説明・同意を得ることが好ましいです。

最後に「内部監査・第三者チェック」の仕組みも検討しましょう。

勤怠記録や残業時間、有給取得状況が設計どおり運用されているか、定期的に点検を行うことで、 労基署等からの監督時に備えることができます。

是正勧告や送検に至るケースも公表されており、例えば未払い賃金・過度な時間外労働・虚偽記録の提出などが重大なリスクとなっているのです。
以上を踏まえて、「制度設計→説明・同意→勤怠記録→運用実態確認」というプロセスを確立し、外国人材も含めた勤怠管理体制を整えることで、企業としての適正な労務管理を実現し、法的リスクを大きく低減できるでしょう。

まとめ

特定技能外国人の勤怠・有給・残業管理においては、日本人と同様に労働基準法が適用されます。

実態との乖離や説明不足により、労基署から是正指導を受ける事例も少なくありません。

言語や文化の違いをふまえた管理体制の整備と、正確な記録・運用の徹底が法的リスク回避のカギとなります。

登録支援機関である当社は、特定技能外国人の雇用はもちろん、外国人労働者全般に関するあらゆる知識や経験を持っています。

採用戦略のご相談や採用支援だけでなく、採用後の様々な注意点やアドバイス、支援実施のサポートも行います。

まずは「外国人採用戦略診断セッション」を受けてみて下さい。

60分無料のセッションで、貴社の状況をヒアリング。

貴社に合った外国人採用・育成戦略、支援計画やフォロー体制をご提案いたします。

疑問や不安のご相談だけでも、どうぞお気軽にお申し込みください。

投稿者プロフィール

西 政彦
西 政彦
9年以上にわたり、技能実習生から特定技能外国人までの支援に従事。
ミャンマーにおいて、特に技能実習生や特定技能外国人のサポートを継続的に行い、2ヶ月に一度ミャンマーを訪問して面接を実施。
特に介護、食品製造業へのミャンマー人労働者の就労支援で多数の実績。
日本語会話に特化したクラスの提供や、介護福祉士資格取得のためのeラーニングサポートを実施。
外国人雇用管理主任資格者
特定技能外国人等録支援機関19登-002160

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です