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外国人労働者を受け入れる企業が増える中で、意外と見落とされがちなのが「公休」の考え方です。
日本では忌引や産休・育休など、法律や慣習に基づいた特別休暇が整備されていますが、海外では必ずしも同じ仕組みが存在するわけではありません。
そのため、日本独特の休暇制度に戸惑う外国人労働者も少なくないのです。
本記事では、日本で一般的に認められている公休の種類や、外国との違い、休暇を取りやすい職場づくりのポイントについて解説します。
日本で一般的に認められている公休の種類
日本の企業で働く際に、外国人労働者が戸惑いやすいことの一つが「公休」という考え方。
これは、法律で定められた有給休暇とは別に、会社の就業規則や慣習によって特別に認められる休暇の総称を指します。
代表的なものとしては、身内の不幸に伴う忌引休暇、結婚や出産を理由とする慶事休暇、出産前後の母体を守るための産前産後休暇、そして子どもの世話を目的とした育児休業などが挙げられます。
これらは「社員が人生の大切な出来事に集中できるように」という考えのもと整備されてきました。
特に忌引休暇は、日本独自の慣習として広く認められています。
配偶者や両親を亡くした場合は5日程度、祖父母や兄弟姉妹の場合は3日程度など、関係性に応じて日数が異なるケースが一般的。
ただし、労働基準法に基づく法定休暇ではなく、あくまでも会社の裁量で定められる休暇制度である点に注意が必要です。
一方、産前産後休暇や育児休業は法律で保障された制度。
産前42日、産後56日間の休暇を取得でき、育児休業は子どもが原則1歳になるまで取得可能です。
これらは外国人労働者も利用でき、日本で長期的に働き続ける上で大きな安心材料になります。
さらに、病気休暇やリフレッシュ休暇といった独自の特別休暇制度を整備している場合も。
特に病気休暇については、有給休暇とは別に設けられているケースが多く、体調不良時に安心して休める仕組みとして重要です。
外国人労働者にとって「公休」という言葉自体がなじみのないことも多く、説明なしでは理解が難しい場合があります。
せっかくの制度を知らず、休暇が取りづらいと感じてしまうと社員満足度低下の要因にもなりかねません。
そのため採用時や入社オリエンテーションの際に、どのような場面で休暇が認められるのか、日数や申請方法はどうなっているのかを丁寧に伝えることが大切です。
企業としても分かりやすい形で制度を説明することで、安心して働ける環境を整えられるでしょう。
外国にも「公休」のような制度はある?日本との違い
「公休」という言葉は日本の職場でよく使われますが、海外の労働環境ではあまり一般的ではありません。
多くの国では「有給休暇(Paid Leave)」や「病欠(Sick Leave)」といった法定休暇が中心で、日本のように忌引休暇や慶事休暇といった特別な場面に応じた休暇が細かく制度化されているケースは少ないのです。
例えば、アメリカでは法律で定められた最低限の有給休暇は存在せず、休暇日数は企業ごとに異なります。
ただし「病欠(Sick Leave)」を認める州も多く、数日から2週間程度の病気休暇が付与される場合も。
結婚や葬儀に関する休暇は「Personal Leave」や「Bereavement Leave」と呼ばれ、会社ごとに運用ルールが異なるため、日本ほど標準化されていません。
一方、ヨーロッパ諸国では「有給休暇」が充実している点が特徴です。
EU加盟国では年間4週間以上の有給休暇が法律で保障されており、フランスやドイツでは30日近く休暇を取れるケースも珍しくありません。
病気休暇についても医師の診断書があれば長期で取得できる国が多く、休暇制度の「幅広さ」では日本を上回ることが多いといえます。
ただし、外国では「忌引休暇」や「慶弔休暇」といった日本特有の文化的な休暇は必ずしも存在せず、「休暇の取り方は個人の裁量に任される」という感覚が強い国が多いのです。
たとえば葬儀や結婚のために休む場合も、有給休暇を消化して対応するのが一般的。
そのため、日本の会社で働く外国人労働者にとっては、「なぜ特別に休暇が付与されるのか」「日数が親族の関係性で異なるのはなぜか」といった部分に疑問を感じることがあります。
逆に、欧米出身の人材にとっては「年間有給日数が少ないのに、細かい公休制度が多い」という印象を持つことも少なくありません。
企業側としては、外国人労働者に制度を説明する際に「日本では個々のライフイベントを大切にする文化があり、そのために特別な休暇制度を設けている」と背景を伝えると理解が深まりやすくなるでしょう。
また、海外の慣習との差を理解し、休暇の取得方法を具体的に示すことで、外国人社員も納得した上でうまく制度を活用できるようになるはずです。
休みの取りやすさが働きやすさに直結する
休暇制度が整備されていても、実際にそれを「気兼ねなく使えるかどうか」は別問題です。
外国人労働者にとって、日本の職場文化の中で最も戸惑いやすいのが、この「休暇を取りにくい雰囲気」かもしれません。
制度としては公休や有給休暇が認められていても、周囲の同僚や上司に遠慮して申請を控えてしまうケースが少なくないのです。
特に日本企業では「周囲に迷惑をかけないこと」や「協調性」を重んじる傾向が強いため、本人が体調不良や家庭の事情で休みを必要としても、「忙しい時期に休むのは申し訳ない」と感じてしまう人が多くいます。
これは日本人社員だけでなく、文化の違いを理解しきれていない外国人労働者にとっても大きな負担となり、結果として休暇を取りづらくなってしまうのです。
一方で、欧米やアジア諸国の一部では「休暇は権利であり、積極的に取るもの」という意識が一般的。
夏季にまとまった長期休暇を取得することも当たり前であり、休みを取ることでリフレッシュし、仕事のパフォーマンスを上げるという考え方が根付いています。
そうした背景を持つ外国人労働者にとって、日本の「休暇は取りにくいもの」という空気は大きなギャップとなり、ストレスやモチベーション低下の要因になり得ます。
だからこそ、企業側には「休暇を取りやすい職場づくり」が求められるのです。
上司が率先して有給休暇や公休を利用する、申請を歓迎する雰囲気を作る、チーム内で業務をカバーし合える仕組みを整えるといった取り組みが効果的。
こうした小さな工夫が「休んでも大丈夫」という安心感につながり、社員全体の働きやすさを高めます。
また、外国人労働者に対しては「休暇は取得してよいもの」「制度を活用することは当然の権利」ということを、明確に言葉で伝えることが重要です。
単に制度を説明するだけでなく、実際に他の社員が休暇を取得している事例を共有することで、安心感を持って申請できるようになるでしょう。
休暇の取りやすさは、そのまま働きやすさにつながります。
特に多様なバックグラウンドを持つ外国人労働者にとって、安心して休める環境があるかどうかは職場定着率や長期的なキャリア形成にも大きく影響。
制度と実態の両面で「休みやすさ」を確保することが、企業にとっても大きなメリットになるのです。
不平等感なく、社員満足度を上げるための休暇制度を
外国人労働者を含め、多様な人材が活躍する職場においては、休暇制度の「公平性」と「柔軟性」が重要なポイントになります。
どんなに制度が整っていても、特定の社員だけが利用しやすかったり、文化的背景によって使いにくさを感じたりすれば、不平等感が生じてしまいます。
そうした不満は職場の人間関係や社員満足度に直結し、長期的には定着率や採用力にも影響を及ぼします。
まず必要なのは、制度の透明性を高めること。
就業規則や社内ガイドラインに、どのような休暇があり、誰がどんな条件で利用できるのかを明文化しておくことは不可欠です。
さらに、日本語だけでなく英語や母国語で説明資料を用意することも効果的。
外国人労働者にとっては「知らなかった」「説明を受けていなかった」ということが不信感の原因になるため、わかりやすい情報提供が信頼関係を築く第一歩となります。
次に求められるのは、文化的背景に配慮した柔軟な運用です。
日本では忌引や慶弔に関する休暇が一般的ですが、イスラム教徒にとってはラマダンや犠牲祭、キリスト教徒にとってはクリスマスなど、宗教上の行事が重要な意味を持ちます。
最近では、母国の祝日や宗教的行事を特別休暇として認める企業も増えており、こうした取り組みは「自分が尊重されている」と感じられる大きな要因になります。
また、制度を公平に運用するためには、管理職やチームリーダーの理解を深めることも不可欠です。
どんなに良い制度があっても、現場で「忙しいから休めない」といった空気が残っていれば意味がありません。
上司が積極的に休暇を取得し、部下にも利用を促すような姿勢を示すことで、社員全体が安心して制度を活用できる環境が整います。
企業にとって、社員満足度の向上は離職率の低下や生産性の向上につながります。
外国人労働者も含め、全ての社員が「平等に休暇を取得できる」と実感できる制度と文化を整えることが、グローバル人材を受け入れる企業に求められる大切な姿勢といえるでしょう。
まとめ
日本の企業における「公休」は、忌引や産休・育休など人生の節目を支える重要な制度です。
しかし、海外では同様の仕組みが必ずしも存在せず、外国人労働者にとっては理解が難しい場合もあります。
だからこそ、制度の背景を丁寧に説明し、誰もが利用しやすい環境を整えることが欠かせません。
透明性を高め、文化や宗教に配慮した柔軟な休暇制度を導入することで、不平等感をなくし、社員満足度と働きやすさを向上させることができます。
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投稿者プロフィール

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9年以上にわたり、技能実習生から特定技能外国人までの支援に従事。
ミャンマーにおいて、特に技能実習生や特定技能外国人のサポートを継続的に行い、2ヶ月に一度ミャンマーを訪問して面接を実施。
特に介護、食品製造業へのミャンマー人労働者の就労支援で多数の実績。
日本語会話に特化したクラスの提供や、介護福祉士資格取得のためのeラーニングサポートを実施。
外国人雇用管理主任資格者
特定技能外国人等録支援機関19登-002160
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